注意書き


この話は短いものですが内容はお子様にはそぐわないものだと世間では思われていると思われます。
描写自体は穏やかなものですので特に気にすることもないと思いますが、とりあえず注意書きとして記しておきます。
別に規制をかけるつもりなどは全く無いですので。













































それは僕が玩具だってことを知らなかったからだと思う。
だっておもちゃって僕のものなんでしょ。
あれはお父さんのものだと思ってたんだ。
いつもお父さんの部屋からぎゃーぎゃーと声が聞こえてきててうるさかった。
だから、それが僕のものだって聞いた時には要らないと思った。
おもちゃはいっぱいあるもん。
そんな玩具なんていらない。

そう思ったんだ。

でも違った。
こんなに面白いおもちゃがあるなんて知らなかっただけだった。
僕は井戸の中の蛙だったんだ。
おもちゃは僕のもの。
僕のものはおもちゃ。
1+1=2
2=1+1
同じだ。

初めての玩具との対面は、、、ああそうか。
部屋でおもちゃであそんでたらお父さんが入ってきた。
あれが一緒だった。
すごく、いやだった。
そんなものはいらないと言ったのに、お父さんは置いていった。
めんどくさかったから放っておいた。
それは両足首と両手首を縄で縛られていた。
目は目隠しをさせられ、口には赤いハンカチが何枚も押し込められていた。
皮膚のところどころが赤くそして紫色に腫れあがっていた。

食事に行くときに、蹴飛ばした。


次の日の朝。
玩具は臭い水の中に転がっていた。
たまらなかったのでエリザを呼んだ。
お父さんの命令で何もできないといった。
腹がたったので手元にあったガラス瓶で思い切り殴りつけた。
すごい大きな声を上げて頭を抱えて地面を転がった。
その声を聞いたのか、アルムが駆けつけてきた。
そしてエリザを連れてどこかへ行ってしまった。
腹立ちはおさまらなかった。
だからその玩具を蹴りつけた。
玩具は動かなかった。
何度も何度も蹴りつけた。
うぅ・・・とうめき声が上がった。
そのときだった。
それが初めてだった。
えも言われない快感が生まれた。
そのときの快感を僕は生涯背負い込むこととなる。
自分の絶対的な力が楽しかった。

次の日の朝。
もう玩具は動かなかった。
頭に包帯を巻いたエリザがそれを引きずって出て行った。
お父さんと一緒にそれを見送った。
僕はその時の衝動をお父さんに話した。
そしたら頭を撫でられた。
いっぱいいっぱい撫でられた。


それからはもう怒涛の勢いだった。
少しずつ大人になるにつれ、出来ることが増えていった。
やりたいことが増えていった。
全部試した。
全部全部試した。
僕の思い通りにいかないことなどなかった。
エリザはもういない。
アルムももういない。
今は、えっと、名前なんて知らない。
あれがいる。あれもいたはずだ。あれは昨日いなくなったからまた違うのがくるかも。
でもそんなのはどうでもいい。
僕は玩具遊びに夢中だった。
朝から晩まで玩具で遊んだ。
年がら年中玩具で遊んだ。


お父さんが死んだ。
僕が全ての力を持った。
これ以上の力はなかった。
これ以上の栄光はなかった。



はずだった。



何で僕は今、グリ−ンマイルを歩んでいるんだろう。
わからない。
僕の絶対的な力が、枠外の力によってねじふせられたのだろうか。
そんなの反則だ。
イレギュラーだ。
僕は今、椅子に座った。
なにか目の前でこちらを睨んでいるやつらがいたはずだ。
もう見えない。
目の前は真っ暗だった。
ふと脳裏に最初の玩具が浮かんだ。
そして思った。
そうか。
これがあれなのか。
確かに飽き始めていた。
絶対的な力に飽き始めていた。
これが受身の想い。
ものすごく、ワクワクする。
たまらない。
僕は至高の喜びをかみし―――。